引き締め政策を続行する中国当局

引き締め政策を続行する中国当局について

FXの達人さんによる2016年から17年の為替相場焦点まとめ

2016年から17年にかけ今後の数カ月間、外国為替市場の参加者は、①中東の政情不安、②わが国の大震災、③欧州の財政危機(ユーロ危機)、④中国のインフレの4片からなる複雑なジグソー・パズルを組み解かねばならない。結論を先に述べれば、筆者は、円安が進行する可能性大とみている。

引き締め政策を続行する中国当局についてです。

インフレと貿易赤字に対して、中国当局は金融引き締めによって、経済を減速させることが不可避となる。中国人民銀行は2月8日、金融機関の貸し出しと預金の基準金利を9日から0.25%引き上げると発表した。利上げは、2010年12月26日以来で、本格的な金融引き締めに転じた2010年10月以降では3回目となる。

 

今回の人民元の利上げによって、期間1年間の基準金利は貸し出しが6.06%、預金が3.00%となる。また、人民銀行は、3月18日に預金準備率を25日から0.5%引き上げると発表している。

 

前回の準備率引き上げは2月24日であり、インフレ抑制に動き出した2010年以降で、10回目となる。人民銀行は、準備率の具体的な水準を明らかにしていないが、一部の大手行で20%に達し、過去最高を更新した模様である。

 

さらに、人民元の上昇も続いている。同月25日の上海外為市場では、ドル人民元相場が6.549元まで下落し、2005年7月の元切り上げ以降の最高値を更新した。元相場の上昇には、金融引き締めと同様に景気の減速効果がある。このようにして中国当局は、金融・為替の両面から引き締め政策を続行している。

FX投資雑感

円の独歩安トレンド明確に。年末に向けて1ドル90円台へ上昇。 さて今年も終わりになりかけているが2016年から17年までの予想を考えてみたいと思います。短期的には、中東情勢の混乱、わが国の震災による先行き不透明感から、ドル円相場にはダウンサイド・リスクが残る。ただ、円売り介入に対する警戒感も強く、欧州では、利上げ観測と財政懸念が交錯するため、主要3通貨に明確なトレントを求めるべきではない。あえて言えば、中国の引き締め政策を受けた中国元買いが望ましい。しかし、わが国経済が震災被害からの復興期に入り、中国経済の減速が明確になり、加えて、米国の量的緩和の解除が現実味を帯びてくれば、円の独歩安トレンドが明確となる可能が高い。ドル円相場は、年末に向けて90円台へ上昇するとみている。

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